スマートウォッチの「高性能」って、どういう意味?一般の人は知りたがらないCPUやメモリの話

スマートウォッチには、スマートフォンと同じように内部にコンピューターが組み込まれています。

そのコンピューターを使って、スマートフォンと無線で通信を行ない、電話着信や受信メールをスマートウォッチに通知しています。

心拍数や睡眠状態の測定結果は、スマートウォッチからスマートフォンにデータが送られ、スマートフォン内のアプリでデータを確認する仕組みになっています。

高性能スマートウォッチと低性能スマートウォッチの違い

「性能が高い」スマートウォッチは、データを測定するアプリの起動が早かったり、メニュー画面の切替がスムーズです。

「性能が低い」スマートウォッチは、アプリの起動に時間が掛かったり、フリーズしたりすることがあります。

では、性能が良いスマートウォッチと性能が低いスマートウォッチの見極めるにはどうすればいいのか?

スマートウォッチの性能は、SoC・CPU・メモリをチェック!

スマートウォッチの性能を知るために確認すべき項目は、以下の3点↓

例えば、SoC/チップセット/CPU/プロセッサーの項目には、

のような記載がされています。

※厳密にいえば、SoC・チップセット・CPU(プロセッサー)はそれぞれ違う意味ですが、示す意図はだいたい同じです。

というか、ごちゃまぜになってて混乱してしまいそうですね。

私の知識で、SoC・チップセット・CPU(プロセッサー)の違いについて、ちょっとまとめてみます。

SoCとは、必要なパーツを一つにまとめた便利セット

SoCは、CPU・GPU(グラフィック)・通信モデムなど必要な機能を一つにまとめたチップセット。

このチップセットをスマートウォッチに組み込むことで、一からCPU周りの設計をしなくて済むので、スマートウォッチの内部設計は容易になり、コストダウンにもつながります。

例えば、『Qualcomm SoC Snapdragon Wear 4100』という製品の構成は、以下のようにになっています。

文章にしてみると、こんな感じ↓

『Qualcomm』という半導体メーカーから発売されたSoCは『Snapdragon』というブランドの『Wear 4100』というチップセット製品です。

このチップセットの中には、『ARM Cortex A53』というCPU、『Adreno 504』というGPU、メモリー、通信モデムが内蔵されています。

大変ややこしいですね・・・

CPU・GPU・メモリーの違いは、カレーに例えるとわかりやすい

ちなみに、各パーツの説明ですが、カレー作りで例えてみます。

CPUの性能が高いのか?低いのかは?型番だけではわからない

ほとんどのCPUの型番には、数字が記載されています。

例えば、

のように、一見この中なら、A57が一番スペックが高そうに見えますが・・・

実はそれぞれ「処理能力が高い」とか「バッテリーをあまり消費しない」など各々の特徴を持っており、型番だけではその能力を測ることはできません。

ただ、CPU型番の数字が大きいほど、最新モデルです。

スマートウォッチの性能や用途によっては、古いCPUを搭載する方が、全体のバランスを見たときに高性能といえる場合もあります。

ちなみにSoCに関しては、数字の大きさが性能の高さを示していることが多いです。

例えば、

での中であれば、Snapdragon Wear 4100が最新モデルで高性能です。

スマートウォッチのCPU(プロセッサー)一覧

スマートウォッチのメモリーは「1GB以上」が安全圏

一番ややこしいのが、この『メモリー』です。

メモリーは、データを一時的に保存しておく領域です。

HDDやSSDも同じ保存領域ですが、メモリを使うときに比べてデータの読み書きスピードが遅いです。

データの読み書きが早いメモリーの保存領域を使う事で、作業効率をグンとアップすることができます。

スマートウォッチのメモリーは、現在のところ以下の2つが主流となっています↓

パソコンだと、今や8GB以のメモリを積んでても普通な状況ですが、スマートウォッチではパソコンほどの多彩な機能はないので、1GBあれば十分です。

とはいえ、さすがにスマートウォッチといえども、512MB以下のメモリではメニューを切り替えるときなどの動作にモッサリ感がでます。

もし、これからスマートウォッチを買うのであれば、サクサク動く1GB以上のメモリを積んだスマートウォッチを選ぶのがオススメです。

スマートウォッチのメモリ(RAM)一覧

メモリーとストレージを間違えないで!

さて、ここで勘違いしてもらいたくないのが、今、書いているこの内容は『ランダムアクセスメモリ(RAM)』の話だということ。

内蔵ストレージの話とは違います。

スマートウォッチのストレージは「4GB」や「8GB」といった容量が小さめで、パソコンで使用するメモリーの数値と近いために勘違いしやすいです。

しかも、他のサイトや公式サイトのスペック表には、内蔵ストレージのことを内蔵ストレージとは書いておらず、メモリーとか、容量とか、ROMだとか、表記に統一感がありません。

ストレージは、音楽データや測定結果を保存しておく領域。

メモリは、CPUの手助けをするための一時的な領域です。

用途が全く違います。

メモリーよりストレージの値が大きいことは、まずありません。

スペック表を見る時は、必ず「メモリー」と「ストレージ」、両方を確認しましょう。

スマートウォッチのストレージ(ROM)一覧

GPUは特に気にする必要なし

GPUに関しては、特に気にせず問題ありません。

スマートウォッチ程度の規模なら、SoCに元から組み込まれているGPUで十分です。

メモリーに関しては、SoCに元から組み込まれているものだけでは不十分なので、別に追加されています。

性能だけでなく、値段とのバランスが一番大事

なお、CPUやメモリーの数値は、メーカーから公式発表されていない場合も多いです。

また、CPUやメモリーが低いからといって、必ずそのスマートフォンの性能が低い分けではありません。

例えば、自社でOSを開発して、出来る限り低いスペックのCPUで動くようにして、コストを抑えているメーカーもあります。

対して、スマートウォッチ用OS「Wear OS by Google」は高機能がゆえに、CPU・メモリは高性能でなければ、まともに動きません。

※OSとはコンピューターを動かすためのソフトウェア(マイクロソフトのWindowsやアップルのiOSもOS)

もちろん、各メーカー、製品としてきちんと動くものを発売しています。

最新モデルが発売されると、それまでのスマートウォッチが遅く感じたり、OSのアップデートによって、対応しきれなくなる場合がほとんどです。

基本的には、聞いたことのない海外メーカーの安いスマートウォッチを買ったりしなければ、スマートウォッチとしての品質には問題ないものばかりです。